バイオヒーリングリート

自微生物を用いた自己治癒コンクリート

コンクリート構造物に発生するひび割れは、鉄筋の腐食に よる耐久性の低下や、美観を損なうことなどの原因となります。
それらを防ぐためには、ひび割れを早期に発見し、補修する必要があります。

概要

本技術は、微生物とその養分となる乳酸カルシウムをコンクリートにあらかじめ添加することで、発生したひび割れを閉塞させる技術です。コンクリートにひび割れが発生すると、酸素と水が供給されることで微生物が活動を開始し、乳酸カルシウムを取り込み、炭酸カルシウムを生成することによってひび割れを閉塞します。
微生物はひび割れが閉塞すると活動を休止し、休眠状態となりますが、再度ひび割れが発生すると活動を再開します。

本技術の特徴
  1. ひび割れを閉塞させることで、劣化因子(水や塩化物イオン等)のコンクリート内部への浸入を防ぐことができます(図1参照)。
  2. 微生物の添加によるフレッシュコンクリートや施工性への影響はみられず、一般的なコンクリートと同様に打設できることを確認しています。

本技術を用いることで、コンクリート構造物の耐久性や美観を維持することができます。
さらに、ひび割れに対するメンテナンス作業が不要となるため、構造物供用中の維持管理費用を低減できます。。


自己治癒の状況

養生水槽竪壁の自己治癒状況

ボックスカルバート頂版内側の自己治癒状況


製品荷姿

NETIS番号:HK-220003-VE

コンクリート1立米当たり5kgを使用し、最大幅1mm程度までのひび割れを修復可能です。


バイオヒーリングリート Q&A

強度に影響はありますか?
強度に影響は全くありません。
『バイオヒーリングリート』は、ひび割れを修復しコンクリート内の鉄筋の腐食を防ぐものであり、直接コンクリートの中性化を抑制する効果等は、この商品にはありません。
バクテリアの生存温度はありますか?
バクテリアは上限100℃程度まで生存致します。下限は他社実験結果となりますが、-25℃程度まで生存を確認しております。蒸気養生は可能ですが、オートクレーブ養生では死滅しますのでご注意ください。
バクテリアは安全ですか?
厚生労働省の水質基準項目と基準値(51項目)やバクテリアのスクリーニング試験により安全性を確認しております。
バクテリアの寿命はありますか?
推定100年に設定させて頂いております。バクテリアは一度も活動を行わない状況下で、約200年の生存が可能と報告を受けています。
そのバクテリアは、水と酸素の供給という環境下で活動を開始すると、20分に1回の間隔で分裂を繰り返し増殖します。
最初のバクテリアは4~5回の分裂を行うと死滅し、他のバクテリアの栄養分となります。
代謝活動により炭酸カルシウムによってひび割れが埋まると、水、酸素の供給が停止し、バクテリアは休眠状態に入ります。
よって、理論上バクテリアが失われることはありません。
バイオヒーリングリートを使用できないところはありますか?
温泉街や下水環境等には推奨できません。使用しているバクテリアは酸性環境には弱いです。
デメリットはありますか?
生コンについては、JIS規格外であることがデメリットとして挙げられます。